1.形状 2.サイズ 3.材質 4.加工
主にこの4項目によって、木製パレットの仕様を決めていきます。
1.形状
まず、パレットの形状を選びます。代表的な形状には、以下のものがあります。
両面型
最もオーソドックスな型になります。
十分な板の枚数があるため、強度が高く、長く使えます。積載物の上に更にパレットを置く、段積みが可能です。上板が破損した場合も、裏返して使用できます。
幅が1400mm以上になると、桁を3本から4本へ増やした方が板への負荷が減り、安定します。
片面型
ハンドリフトが使える形になります。
下板が少ない分、強度は若干下がりますが、コストが抑えられます。積載物によっては、段積みも可能です。ワンウェイパレットとして広く使用される形状です。
単面型
ハンドリフトを挿入する際、段差が一切ない為、作業性が向上します。下板が無いので、コストも抑えられます。上板を厚くすれば強度を高められますので、パレットサイズを小さくして小型の重量物の保管に使用されることが多い形状です。
桁くり抜き四方差し型
どの方向からもフォークを使用できるパレットです。横向きにトラックに積載したい場合等に、効率よく作業を行えます。
翼出し型
荷物を梱包する際、バンドを引っ掛けやすい形状です。
四方差し型
コストを抑えつつ四方差しにしたタイプです。
上記以外にも、様々な形状のパレットを製造しております。
2.サイズ
形状が決まった後は、①全体のサイズ と、②各部材の寸法 を検討します。
①全体のサイズは、
・積載物の大きさ
・工場ラインや自動倉庫の仕様
・トラック等への積載効率 等により、決定されます。
主なパレットのサイズ
W1100 × L1100 | W1200 × L1000 | W1300 × L1100 |
W1400 × L1100 | W1200 × L1200 | W1500 × L1200 |
上記のサイズ以外にも、柴原製材所では、10mm単位でお客様のご要望のサイズをお作りします。
②各部材の寸法の影響をご説明いたします。
下の図は、木製パレットの各部材の呼び方を表したものです。
板厚
パレットのたわみや、耐久性、パレット価格に大きく影響します。
板厚20mmが一般的で、ワンウェイパレットでは15mm程度にすることもございます。
20mmと15mmでは構造計算上、1.8倍近く耐荷重が違うことになりますので、
使用される状況に合わせて板厚をご提案いたします。
板幅、板枚数
板幅と板の枚数によって、板の間隔が決まります。
間隔を30~50mmにするのが一般的ですが、
積載物の種類に合わせ、間隔を無くしたり広げたりすることも可能です。
例えば袋物を載せる場合、袋が板の隙間にはまり込んでフォークの爪に触れないように、
間隔を狭くする必要があります。
特殊な形をした積載物にフィットするような、非対称な板配置にすることも可能です。
桁高さ
フォークリフトの爪が入る分は最低限確保します。
桁が高いほどフォークでの作業性は良く、90~100mmにするケースが多いです。
パレットの全高が変わる為、パレットのみをトラックで輸送する際の段数にも影響します。
自動ラック倉庫で重量物を積載される場合は、桁に大きな負荷が掛かりますので、十分な桁高さと桁本数が必要です。
桁幅
厚くするほど強度は上がりますが、その場合は桁高さを増やした方が効果があります。
40~50mmが一般的です。
木材の体積を下げるほど、コストも下がりますので、安全に使えて、余分を省いた構造にすることが大切です。
上記の原則と、長年培った経験で、弊社スタッフが最適なパレットをご提案いたします。
3.材質
材質によっても、パレットの性能が変わってきます。
木製パレットに使われる材質は、主に以下のものがあります。
杉
強度 | 普通 |
---|---|
寿命 | 普通 |
価格 | やや安い |
代表的な 樹種 |
杉 |
松
強度 | 強い |
---|---|
寿命 | 長い |
価格 | 普通 |
代表的な 樹種 |
カラ松、米松、ニュージー松、トド松、内地松 |
南洋材
強度 | 非常に強い |
---|---|
寿命 | 非常に長い |
価格 | 高い |
代表的な 樹種 |
タウン、カロフィラム、カメレレ、デレニア、ウォーターガム |
どの材質かにするかにより、価格、耐荷重、耐用年数が全く違ってきます。ご使用方法に最適な材質を、弊社スタッフが提案いたします。
例えば…
機械部品の入ったダンボールを輸出する為に使用したい。重量はパレット1枚あたり500kgで、ハンドリフトも使用する。トラックでの輸送時と、コンテナの中では2段積みにする。サイズはW1100 x L1100
ハンドリフトを使用され、段積みもされる為、形状は片面型となります。輸出されるということですので、材質は熱処理を行ったニュージー松が適しています。
※熱処理のご説明は以降の4.加工にあります
ワンウェイの為、板厚は15mmにして、コストを抑えます。
粉ものの袋を保管したい。重量はパレット1枚あたり2トンで、3段積みにする。サイズはW1500 X L1500
段積みの一番下のパレットには計6トンの荷重が掛かることになり、幅も1500mmと長いので、かなり強度のあるパレットにする必要があります。
形状を両面使用型、材質を南洋材、板厚を22mmと一般より少し厚くしていただくと、安全に長く使用していただけます。
※南洋材は曲がりにくく、破損しにくい他に、劣化が遅いことや、堅く釘の保持力が高いことなども、耐用年数が大幅に増える要因となります。
4.加工
加工を施すことにより、パレットの機能をさらに高めることができます。
四隅R加工
コーナーを丸くすることで、積み降ろしの際、商品を傷つきにくくします。紙袋、ビニール袋などの袋物に適しています。
ハンドリフト用差込口面取り加工
ハンドリフトがスムーズに入るようになり、 作業が効率化します。 フォークリフトの爪による破損を防ぐ効果もあります。
ワイヤー吊上げ用加工
クレーンを使用する場合、ワイヤーなどを通して吊上げるためのものです。
ネーム入れ
桁側面に、御社名、年月、ナンバーなどを墨入れいたします。フォントは角ゴシック体、丸ゴシック体、明朝体などからお選びいただけます。ロゴも可能です。
(写真は丸ゴシックのサンプルです)
熱処理(燻蒸処理)
輸出用のワンウェイパレットは、虫の混入を防ぐ為、国際基準(ISPM No.15)に従い、熱処理を行った後、証明スタンプを押します。
柴原製材所では、パレットのトレーサビリティを確保するため、スタンプ横の番号とアルファベットによって、保管してある熱処理のデータ(温度の推移)とリンク、追跡できるようにしています。
専用形状加工
お客様の商品の形状や、梱包、運送の都合に合わせて、
木材を追加、組付けすることができますので、お気兼ねなくご相談下さい。
以上、木製パレット選びのポイントを紹介させていただきました。お客様のご要望に応じて、様々な提案をさせていただきますので、パレット選びに迷われた時はぜひ柴原製材所にご相談下さい。